ちかごろのこと古漬けページ

●2022/8/20 記【音のお便り再開しました。】


去年あたりからYoutubeに上げ始めた宅録音源「音のお便り」を再開。今回9通目です。
このご時世でなくてもなかなか会いに行けない西の果ての生月島でカフェをされている松尾一正さんが詞を乗せられた曲。
メロディは詳細不明ですがはるか昔からアジア圏に伝わるものなのだそうです。


それから今年吹き始めたインドの横笛バンスリーももっと自由に吹けるようになりたいので時々Youtubeで発表してみることにしました。


●2022/8/2 記【海の中からざぶざぶと】


もうひと月前のことですが、東京ローカル・ホンクのフロントマン木下弦二さん、ラヴラヴスパークとの三人ライブを開催した日、「海の中の海」という自作曲を久しぶりに歌ってみました。
ライブでは「今読んでいる本にジョルジュ・バタイユの『水の中の水』という言葉が出て来きて、よく似たタイトルの自分の曲を思い出したので」と説明していましたが、実は話が長くなりそうだったので割愛したもう一つの理由がありました。


このライブの何日か前にFaceBookで「社会に差別が在って、自分が差別されているという実感がない場合、自分は差別に加担している、と言っていいと思うけど、どうだろ?」という一文を弦二さんが投稿しておられたのです。
そのアンサーソングにはなっていないんですがテーマに因んだ曲として選んだのでした。


ちなみに私のアンサーは、実感のある無しに関わらず全ての人は差別をするし差別をされている。差別を内面化し、そうされるのは当然と思い込むことで加担もしている。これは人と人とが現在よりもっと穏やかな関係性を持てる時代へ移ったとしても見出そうとすれば際限なく見出し得る根源的な(逃れられない)ものだろうと思うので、「Yes」になります。


ですが「差別を無くすなんて出来ないんだから、無くそうとする運動なんて無意味」と言うための「Yes」ではありません。
私たちは知らない内に差別したり加担してしまう存在だけれど、同時に、差別から解放されたいと願う存在でもある。常態として解放の途上であること(全ての差別は無くせないこと)を問題視しても仕方がなくて、そこで止まらずにリアルに散らばる個々の問題を見つめ他者に寄り添うことが大事じゃないかな。


だからいつも自省しつつ歌うのですが、たまには歌詞をここに書き出してみますね。




「海の中の海」作詞作曲 長野友美


風は南からやって来る
きらきらと水面をくすぐりながら
秘密をここで明かしてみても
きっとあなたには何も見えないでしょう

そう私の姿は見えないわ
まるで海の中の海

あなたはいつも知りたがる
きらきらと無邪気に扉を叩く
だけどその瞳に映し出すのは
あなたのお気に入りの答えばかりね

私の姿は見えないわ
まるで海の中の海

あなたには何も見えないね
まるで海の中の海




自分と全く境遇の違う人の苦しみというものは共感ベースではなかなか見えないものです。(と、これは昔ロバート・キャンベルさんのLGBTに関するコラムで読んだことだったかな)
人は「その気持ちわかるよ〜(私にも似たようなことがあった)」という共感で繋がるのは得意だけど、自分と全く重ならない固有の心情を受け止めるのは下手くそだ。
だから「痛い」と言ってる人に「他の誰も痛がってないから、気の持ちようじゃない?」なんて答えてしまったりするし、 親に虐待されて育った人に「親には感謝しなくちゃダメじゃない」と平気で言えてしまったりする。
共感を頼りにすると海の中に海しか見えない。ある人の前には海ではなく断崖が立ちはだかってるなんて想像もつかない。


その点、たびたび感じてきたことですが、弦二さんは自分の海の中からざぶざぶ出てきて、その強い探究心で社会にある色んな出来事をやわらかくまっすぐ見つめてブツブツ考え、「俺こう思うけどどう思う?」なんて対話を促しながらマンツーマンの感覚で歌を聴かせてくれてる稀有な人だと思う。自分の意見をきちんと表明しつつも道徳や正義で人を圧迫しない。もし自分が子供だったら一番いて欲しいタイプの大人だ。
音楽性に関しては言うまでもなくとびきり素晴らしい人ですけれどね。


もう一人の共演者ラヴラヴスパークのこともそのうち改めて語りたいですが長くなったので今回はこれにて。




●2022/6/28 記【コンピレーションCDケルトシットルケVol.7】


年明けにバンスリというインドの横笛を買って以来、ずっと吹いています。
フルートとは違い音階が2オクターブに満たない竹製の笛ですが、うまく吹けば深みのある魅力的な音を出してくれます。


今年2月からしれっとデュオライブでも吹き始め、ライブの場数でごりごり鍛えていくスタイル。
初めての楽器に対して日々自由度が増していく感覚がとても楽しい。


今年秋にコンピレーションアルバム「ケルトシットルケVol.7」という作品が発売される予定なのですが、先日はそのレコーディングでもこのバンスリを吹きました。


津山篤&長野友美で3曲参加。芦屋のビートショップスタジオさんでレコーディングを終え、現在Mixを調整中。
それからアルバムノーツには曲の歌詞と解説も掲載されるため、現在がんばって下調べ&執筆中です。


コンピレーションということで、関西のケルトミュージックシーンの今を垣間見れる興味深い内容になりそうです。
ケルトシットルケコンサートのその年ごとの出演バンドがこのコンピレーションアルバムに参加する流れのようで、バックナンバーも楽しそう。 CDはネットショップ、実店舗でも注文可能で、サブスクもされるそうです。
もちろんライブでも販売しますので秋にぜひお迎えください。


それではまた。




●2022/6/15 記【コブシをまわす歌】


去年11月の京都磔磔で開催したトラッドソングデュオCD発売記念ライブでゲスト出演して下さった山海ひでひろさん(ex.アンティック・フォークロア。トラッドソングデュオCDに「風の物語」という日本語の歌が収録されていますが、それがこのバンドの曲のカヴァーです。)が 磔磔ライブ以来久しぶりにライブされるという事で、先日Live&Salon夜想というお店に観に行ってきました。


この日は私の夫である栗本英明さん、そして稲富英樹さん(g.vo.)+小池克典さん(Pf.)が共演で、全員大好きな知り合いという嬉しいライブでしたが、小池克典さんもアンティック・フォークロアのメンバーだった方です。


ライブ後に 山海さんがトラッドソングを歌っている私の動画を小池さんに見せられていて、小池さんが「長野さん、こんな風(民謡調)にも歌えるって知らなかった!」と仰ったのが嬉しくもあり、ちょっと意外でもありました。


言われてみれば このデュオを始める以前、アイルランド、スコットランド民謡特有のコブシで歌うのをライブで披露したことは数えるくらいしかありませんでした。
時々は依頼を受けて民謡メインでやることもありましたが、それを聴いて下さった方は思い出しながら数えられるくらい少ない人数です。
自分の中では「やってる感」モリモリだったのに知り合いにすら認知されていなかったことに気がついて「そうだったのか!あ、そりゃそうだよね、、、」となっているところです。
自分の中では今更感なのですが言っておかねば。私は民謡が、コブシをまわす歌が大好きです。ケルト圏に限らず、聴くのも歌うのも。


でもオリジナルソングを作るときにはほとんど発揮されてないですね。
コブシがぴったりしっくり来るような曲を作ってないから。
今のところ自分にとってオリジナルソングは限りなく自分の本来の話し言葉に近くて、語りかけの延長だから、そこからかけ離れた要素をあんまり使ってないんですよね。


ですから民謡を歌う私というのは、もしかしたら津山さんと出会ってなかったらいつまでも今ほどに認知されることはなかったかも知れないですね。いや間違いなく。少なくとも今みたいにレパートリーは増えていません。ありがたや、ありがたや。
46歳から自称民謡歌手、本格的スタート。人生がちょっと短すぎる気はしますが存分に楽しみたいと思います。


トラッドソングデュオのYoutube動画は活動始めたてという事もあってまだとても少なく、あったかと思えばあんまり良いところが伝わらなさそうなものばかり。
もう少し楽しんでもらえそうなものを上げたいなあという欲が出てきていたところなのですが、
6/3の京都拾得ライブを録音して下さったものがあって、津山さん曰く「ええ感じやったよ〜」との事なので近々編集してアップされると思います。静止画になりますが。


またお知らせしますね。
それでは。




●2022/6/7 記【防府市、佐世保市、長崎市、京都市とあっという間に】


トラッドソングデュオは5月の西への演奏旅が終わり、そして先日6月3日に京都拾得ライブが終わりました。
津山さんが南アルプスの仕事へ行かれるのでこのデュオライブは山シーズン中お休みです。だけど夏休みにふさわしく、ちゃんと秋以降に向けた宿題もコッテリとあるんですよ。(笑)

6/3京都拾得にお招きした畑下マユさん(with元山ツトムさん)のライブは夢見心地で、「火取虫」という夏の季語がありますが 私に取って彼女の音楽と声はまさに抗うことができず火の中に飛び込んでしまうような甘い魅力です。彼女の感動的な音楽がそれにふさわしく大きく広がることを願います。

さて、音楽に入り込んでいるうちにサッと時間が過ぎていて、気がつけばこの日記コーナーを更新するのも久しぶりになってしまいました。
これから梅雨入りして酷暑がやって来ますね。私は体調を崩しがちな時期なので、無理のないプランを立てつつメリハリ付けて出来るだけ楽しんで過ごしたいです。
ここをご覧くださった方もどうかお身体大事に、少しでも楽しむことを忘れずに過ごして行きましょうね。




●2022/3/28 記【弥生の二頁vol.10、ご来場ありがとうございました。】


ここ一年ほどトラッドソングばかり歌っていたせいか、自作曲を歌うのがちょっとだけ新鮮だったのと同時にほんの少し疲れました。
日本語であったり、自分に極めて近いものの情報量の多さに心身がびっくりして。
オリジナルでもカヴァでも、どの歌にも距離感とか扱いの困難さがあって、それでも大好きだし大切だからこそ普段さほど気にせず歌えているんでしょう。
好きなことって何でもそうかもしれませんね。

10回分の時間を共にしたフジコさんの歌は今回も気持ちよくギターは星がはぜるようにキラキラと聴こえていて、すごい自画自賛?愛着?かもしれないけれど彼女の歌はこの弥生の演奏会、ここカフェウッドノートで聴くのが一番ではないだろうかと思ったりしました。
少なくともかつてこの場所へ彼女をいざなった、それだけは確かな私の功績と言えるでしょう。少しだけ胸を張らせてください。

特別なことは何もなく続けて行くことだけやりましょ、と始めて10回目。
いつしか作品展示もやるようになり、弥生のおみやげ作りをするおかげで色んな風変わりなスキルが身について行ってます。(笑)
こんなふんわりした内容の演奏会を受けてくださるカフェウッドノートの店主、スタッフとして来てくださるマーラさん、ずっと付き合ってくれているフジコさんにも改めて御礼を。ありがとうございました。






●2022/3/14 記【広島市、福津市、糟屋郡での演奏を終えて】


トラッドソングデュオ、三日間の短いツアーライブから本日京都に戻りました。
今回、レパートリーの中で一曲、しっかりと歌い伝えることに苦労した曲がありました。
今歌うにはあまりに生々しく、ライブ初日には不覚にも最後に泣き出してしまう有様で。
「泣いてしまうことだってリアルなパフォーマンスの内でしょう、そうゆうものが見たいですよ」と言って下さった方もありましたが
ミュージシャンとしてそうなることは私は最小限に止めたい。恥ずかしいからと言うよりも、ひたすら虚しくなるので。
つまり私が100回人前で泣くよりも、この曲を一回プレーンに聴いてもらう方が伝わるのです。

津山篤&長野友美のトラッドソングアルバム歌詞ページに掲載している「No mans land」という歌の翻訳をここに引っ張り出してご紹介するとともに、世界で行われている全ての戦争に反対します。



『墓標の国』  作詞・曲エリック・ボーグル/邦訳 長野友美

やあ、調子はどうだいウィリー・マックブライド(※1)
君の墓のそばに腰掛けてもいいかい?
暖かい夏の太陽の下でしばしの休息
僕は歩きっぱなしで1日が終わってしまったよ
墓石に、君が1916年の大きな戦闘(※2)において19歳の若さで亡くなったと書いてある
僕はできればその死があっけなく訪れたのだと思いたい
それとも、それはゆっくりと進行したおぞましいものだったのかい?

音楽隊はゆるやかにドラムを叩き
君のひつぎが降ろされる時、弔銃発射はなされたか?
彼らはコーラスのしめくくりにラッパを吹き鳴らしたか?
バグパイプは「森の花」(※3)を奏でたか?

君は妻か恋人を後に残したのだろうか?
その面影は祀られた 1916年に亡くなったとして
愛しい人の誠実なる心の中 君はいつまでも19歳のまま
それとも君は名前もわからぬ見知らぬ者として大勢の写真立ての後ろに永遠に祀られ
その古い写真はぼろぼろに汚れて
茶色の皮のフレームの中で色褪せて行ったのかい?

フランスの緑なす草原に太陽が輝く
暖かい風がそよぎ、赤いひなげしたちが踊る
塹壕(ざんごう)は鋤(すき)で埋められて久しく
毒ガスも無く、有刺鉄線も無く、銃が発砲されることももはや無い
だけどこの墓標の国には誰ひとりとして住まうものも無く
物言わぬ目撃者たる白き十字架が無数に立つのみ
彼ら「友」への、人々の盲目的無関心
それがあらゆる世代の人々を虐殺し破滅させたのだ

僕はどうしようもなく不思議なんだ、ウィリー・マックブライド
君たちが死にゆかねばならぬ理由を一体誰が作り上げた?
その理由が語られた時、君は本当にそれを信じたか?
戦いを終わらせるための戦いだと、我々は本当にそれを信じたのか?
その苦しみ、悲しみ、栄光、恥、殺戮、死、それらは全て無駄だった
おおウィリー・マックブライド、それらは全て再現されたんだ
再び、再び、再び、そして再び

音楽隊はゆるやかにドラムを叩き
君のひつぎが降ろされる時、弔銃発射はなされたか?
彼らはコーラスのしめくくりにラッパを吹き鳴らしたか?
バグパイプは「森の花」を奏でたか?


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※1.Willie McBride。彼のファミリーネームからスコットランドの出身者であることがわかる。
Repeat部分でスコットランド流のとむらいの情景が描かれていることからも。
※2.WW1において多大な戦死者を出したフランス、ソンムの戦い(1916)と思われる。
※3.『The Flowers Of The Forest』スコットランド地方で戦死者へのたむけに奏でられる曲。

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広島市OTIS!、福津市うらんたん文庫、糟屋郡南蔵院 十二匁ホールにご来場ありがとうございました。



●2022/3/1 記【弥生の二頁の歴史】


今年で10回目。節目ということで作ってみました。


年数の辻褄が合ってホッとしました。
ここまで来るといつから始めたやらどの年に何をしたやら忘れてます。

初期は印刷に出す暇もないといった調子で手描きをコンビニでカラーコピーしたり自宅のプリンターで出力してますね。
たぶん二人とも今のほうが時間に追われていると思うんですが、長くやって来たせいで気持ちがジタバタしなくなったようです。

とか言ってて今年ずっこけないようにしたい、、。
展示も演奏会のほうもどうぞよろしくお願いします。



●2022/1/26 記【Both Sides the Tweed】


1月唯一のライブを終えて翌日、 京都御苑を散歩していたらツグミもシロハラも去年と同じ林の中にちゃんとやって来ていて
ふっくらと積み重なった落ち葉をクチバシで払い退けながら食べ物を探していました。
エリアによってはこの二種類の飛来が少ないという話を聞いていたので少し安堵。
まあ鳥には鳥の事情があると思うので勝手に心配したり安心しているだけなんですけど。


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津山篤さんのソロアルバム「The Fake Star Judgeman & The Havens」に「Both Sides The Tweed」というスコティッシュ・トラッドソングが収録されています。
Tweedというのはそのまま辞書を引くと羊毛を織って作られるツイード生地のことですが、ここでは川の名前で、邦訳すると「ツイード川の両側」となります。

不本意にもイングランドに併合された人々が「祖国を失ってしまったがこれからは友情と名誉で結びつき、ツイード川の両側(この川が当時の国境線だったのでしょう)で花を咲かせよう」という悔しさを孕んだような内容の歌。

この詩に曲を付けられた作者のディック・ゴーハンさんやメアリー・ブラックさんのバージョンも好きだけど
私は津山さんの歌う「Both Sides The Tweed」がかなり好きです。
美しいメロディなので自分もよく口ずさむけど、ライブで歌えるほどにはなかなかしっくり来ません。油断すると不必要に思われるムードがうっすら入ってしまったりして「違うんだよな~」と独りごちています。
歌には好き嫌いに関わらず向き不向きがあることを年々痛感しますが、これはその人それぞれに持つ特性、人生経験、バックグラウンドの違いによるものなのかも知れないですね。

津山さんの「Both Sides The Tweed」は雄々しく歌い上げてはいるけれどそこで自分や誰かの感情をいたずらに代弁してやろうとしない清涼さがある。喪失したことへの愁いや悔しさではなく喪失したものの美しかったこと、その風景のほうが伝わって来ます。
そこが誰にでも出すことができないムードかなと。
だから1月のライブは津山さんがメインで歌うこの曲が新たに加わったことが嬉しかったです。

津山さんのハードルを上げる意図はなく(笑)これにてドロン。


●2022/1/13 記【今年もよろしくお願いします。】


雪の降った昨日とは打って変わって今日はよく晴れました。
でも大勢で金木犀の垣根に止まった雀たちは、それは寒そうに膨れています。

外を歩けば車の音を始めとした街の喧騒にもすっかり冬鳥たちの鳴き声が染み付いてきました。
あんなに大声で鳴き合っているのに耳障りではないのは鳥と人との間にこれといった用事がないからだ。

お互いとくべつ用事がなくても鳥には人の街が住みやすそうで、人には鳥の声は心地よい。
これくらいのサラリとした関係性で一緒にいられるのは気持ちがいいことだなあと思った1月の朝でした。



●2021/12/24 記【トラッドソングに潜む妖精】


寒波が近づいて来ているせいなのか日中をぐったりと無為に過ごし、
今夜はおとなしく早めに眠ろうと思ったら肩こりがきつくて眠れなくなってしまったので未明にこれを書いてます。

今週明けから『ダリエ・ロ・サイテン・ディエ・モナヴィエール』に収録されている曲の歌詞を少しずつ当サイトにアップし始めています。
不明箇所が多かったり情報量が多かったり私も含めみんなが老眼だったりで期限に到底間に合いそうになく、CDに歌詞ブックレットは付けなかったんですが
今では入手困難なテキストもけっこうあったりするのでこの機会にネット上にも置いておこうという気持ちになりました。

『Trad Song』ページ冒頭のCD紹介スペースのすぐ下にひっそりと『Trad Song Lylics』というページへのリンクを設けていて、 年明けには全12曲分のテキストが見れると思います。わかる範囲で解説や訳詞も書いています。

Twitterでそのことをつぶやいたら身近な方達が思いの外反応してくださって、 たとえ何が書かれているかわからなかったとしても歌詞を見たいという方は意外に多いのかも知れないですね。


トラッドソングって古いメロディに色んなバージョンの歌詞が付いていたり新しい歌詞が乗って古い歌詞が忘れられたりしてるものが多いですが、今夜ふと、かねてより気になっていた歌のことを調べていたら「この歌、最古の録音には無かった歌詞がいつの間にか冒頭に付け加えられてるんだけど、いつ誰がやったの?」という内容の興味深い英文ブログに辿り着きました。

『Hal An Tow』という英国ヘルストン、コーンウォールの6月のお祭りで歌われてきた伝承歌で、ウォーターソンズやオイスターバンドも歌っている有名歌です。
しかし彼らが歌うバージョンと違い元々は「グリーンウッドのロビンフッド」から始まるらしく、現在知られているバージョンはシェイクスピアからの引用と思しき歌詞がいつの間にか追加されているということらしい。

「ロビンフッドから始まる最古の録音は1941年のものだから、きっとフォークリバイバル期に誰かが追加したんだろう。 マイク・ウォーターソンさん辺りじゃない?」

なんて噂も出ていたそうで。
だけどマイク・ウォーターソンさんに確認したところ違うらしい。マイクさんも妙な噂を立てられていい迷惑だったのではなかろうか。

ブログ主さんの推測では、1950年に出版された伝承歌紹介本に『Hal An Tow』が掲載されていて、ぼーっと流し読みしてたらうっかり歌詞の一部だと勘違いしそうな紛らわしいところに件のシェイクスピアから引用した解説が書かれているそうで、
少なくとも1950年以降、誰か慌てん坊の歌手が解説文まで歌詞と思い込んで歌い広めてしまったんじゃないかということでした。

私も今回のアルバムのレコーディングでは歌詞と勘違いして歌詞の前にある解説文まで書き写したりしてたなぁ、、、と苦笑い。

だけど伝播するうちにあらゆることは変容します。
そして理解する試みはもちろん大切だけど、勘違いから始まる面白いことも世の中にはたくさんある。
私はただ楽しみのためだけに色んな調べごとをしてはいますが、歌詞の意味を訳できたとしても、歌の背景を知ったとしても
他民族とか他人の心情がわかったとは到底思えない。解像度の違いはあれど自分の中にある限られた材料で相手の表面を眺めてそれに勝手な感想を持っているに過ぎない。
隣人といえど自分とはほど遠く不可解だからこそ面白かったりしますしね。
そもそも歌の魅力(普遍性)というものは歌詞ではなくメロディのはざまに潜む妖精の仕業かも知れません。

無理やりまとめたのでこれにておやすみなさい。


●2021/12/20 記【長野友美のソロライブのこと】


トラッドアルバムのレコ発ライブが続いたこともあり、しばらく私のオリジナルソングのライブ予定が無くなっていましたが
『弥生の二頁』というタイトルで毎年3月に開催している小さなライブが2022年3/27(日)に決まりました。
今年で10回目なのですが特にアップグレードすることもなく例年通りに催します。

長野友美とフジコのギター弾き語り二人会。
会場のCafe Wood Note(京都市左京区一条寺)ではライブの前の数日間私とフジコさんの作品展示をしますのでふらり喫茶でお立ち寄りください。
そしてライブにお越しの皆様にはちょっと風変わりな弥生のお土産を進呈。

小さなお店ゆえライブは予約制です。
詳細が決まるまで予約問合せは今しばらくお待ちください。



●2021/12/13 記【トラッド・デュオのツアー予定】


先月末発売した津山篤&長野友美のユーロトラッドアルバム『ダリエ・ロ・サイテン・ディエ・モナヴィエール』
早速いろんな方のお手元に届いているようで嬉しいです。

それもこれも常々アンテナを張っておられる音楽ファンの方々、そして情報を然るべきところにしっかり伝えて下さっているレーベルのお陰です。

私の手元にも一応在庫あるんですが、レーベルから30枚お預かりした中の半数がようやく旅立ったところです。
ソロライブが全く無いとこんな調子なんですね。
レコ発ライブ以外の場所で「CDありますか」の声をかけてくれた方、本当にありがとうございます。


CD、すぐに売り切れるなんてことは無いでしょうが、「物」ですのでプレス数は有限です。
どうか私がライブにやって来るのを待たずぜひネットで入手してお聴きくださいね。
まず、こんな特殊な性質のアルバムをノリノリで発売して下さったレーベルF.M.N SOUNDFACTORYにはしっかり潤ってほしいです。
それに皆様におかれましてはライブでお会いできる頃には「もう一緒に口ずさめるよ!」というくらい耳タコになってもらえてたら嬉しいので。


ツアーですが、来年3月には福岡県へライブに行く予定です。
詳細や予約受付はまだこれからですが、3/12(土)福津市うらんたん文庫さんライブがまず決定しています。
感染症状況が読めないので今のところ日数は抑え気味ではありますが。


故郷である長崎方面へは月をあらためて、緑濃くなる季節はどうかと考えています。


今後当サイトのツアー情報が増えて行くと思いますのでぜひチェックしてみてください。
もちろん長野友美ソロライブの予定も増やして行きたいです。


それではまた。



●2021/11/15 記【友人たちのアドバイス】


元々人様の前に立って歌ったり喋ったりするタイプには程遠い自分が 自分から逸脱して生きている中で
仮に野放しであったなら絶対に続けていないであろうことがいくつかあります。


パーソナルスペースが広いゆえ私は人間関係の中に長く居るとぐったり疲れてしまいます。
その上「あの人は口ではああ言うけど内心では〇〇して欲しいんだ」といったことを全く察することができないので
言葉通りにしか受け止められないうちいつの間にかズレてしまって、人を思いやれるどころか人情たるものの輪に入ってゆけぬまま上滑りし続ける悲しきサガ。


常にそんな調子なので超絶向いてないと思われるFacebookやtwitterでの発信も何度やめてしまおうと思ったことか。


ありがたいことなのですが、
私に対するときに言葉と内心の不一致が無く、がんばらずに付き合える友人がいく人かいます。
何かに取り組むのが心底嫌になった時は、そこでやめてしまう前にそうした友人のアドバイスを一度馬鹿みたいに聴くことにしています。


「嫌だからもうやめる」と思った事でも、その人が「続けたほうがいいんじゃない?」と言うならもう一度立ち止まって、じゃあどう変えたら続けられるかなあと考える。大抵は自分の思い込みやこだわりの強さが続けることを辛くしているだけで、楽に継続できる方法が開けて来ます。そもそも若い頃ならまだしも 人生がぶち壊れそうなほど受け付けないような事は誰に相談するまでもなく黙ってやめますしね。笑


友人も毎度神妙になって助言してくれるわけじゃなく、「だって長野さん含め誰がどんな人と繋がり持ってるのか知れるの、楽しいから」なんて自分本位で単純な理由のほうが多いです。それでもわざわざ言ってくれるんだから、短気を治めていっちょ考え直してみるか〜と思えるわけで、、。「楽しいから」の一要素に自分も加えてくれているのは嬉しいですしね。
(でも先に書いた通りパーソナルスペースが広いので、親身になってアドバイスすることで他人をコントロールしようとしたり共依存関係を築こうとする人からは経験上マッハで逃げますよ。)


歳をとるとそんな友人がだんだんとあの世に行ってしまったり周りに年下が増えてアドバイスをくれる環境は減っていくわけで そうなると私のような癖の強い人間が自分自身の伸ばしたツタに絡まってがんじがらめの団子 になって行くのは火を見るより明らかです。


そんな野放しにすると縮こまってゆきがちな自分から逸脱し続けるべく
友人たちのアドバイスには精いっぱいツタを伸ばし、とっかかりを見つけて広がれるだけ広がって行きたい。
自分「らしくない」ことにたくさん着手して、恥をかいたりして、
いつの間にか想像もできなかったような景色を眺めてみたいものです。
かつて音楽を始めた時の自分がそうであったように。


それでは今回はこの辺で。


P.S.
津山篤&長野友美のレコ発ツアーが始まります。
東京、名古屋、京都、12月は大阪にて。
どうぞよろしくお願いします。



●2021/10/31 記【すごろくの一回休み】


Youtubeにアップしてきた1週間で消えゆく音のお便りですが、ライブの準備が忙しくなって来ましたのでここで一度お休みにしたいと思います。

8通目の音便りを今夜大慌てで録音、アップロードしました。
体調があまり良くなかったので今週は諦めてそのままお休み突入しようかとも思ったのですが、更新時間が迫って来るとどうにもソワソワしてしまい結局突貫工事してしまいました。

これまでの音便りにお付き合い下さった方、ありがとうございました。
楽しい作業でしたので早く再開したいです。

それではまた。


●2021/10/22 記【動画コメントへの御礼】


Youtubeでやっている「音便りシリーズ」にコメントを下さった方、ありがとうございます。
1週間で非公開にしてしまうせいでお返事する間もありませんでしたが拝読しております。

これからもこんな調子になるだろうと思いますが、ひととき楽しんでいただけたら嬉しいです。



●2021/9/17 記【心の中のドッヂボール】


私はずっと自分の声にコンプレックスがあります。
いえいえ、声だけでなくそもそも自分のあらゆる行動を録音物や写真や動画で見返すのが苦痛なのです。


ですがそんなこと言っててもしょうがないなぁと思うし制作発表する楽しさのほうが大きいので、その感情をひらりとかわし、時に受け止め、時に当りどころ悪くて倒れ伏すドッヂボール的ファイトでこれまで音楽活動して来ました。
歌うという行為そのものは気持ちの良いことなのですが、自分の歌を自分で聴きたいかと言うとそうではないというジレンマですね。


ですのでこの先もそんなふうに苦痛と楽しさを天秤にかけてハードルを越えてでないと録音物を発表できないのかな〜と思っていたのですが...。


今年に入ってから不思議なことに、そんな心の中のドッヂボールが急に穏やかになってきました。
ひたひたと更年期の訪れを感じている今日この頃なので、加齢から起きた感情との和解....なんてこともあるかもしれないけれど(ハハハ)、きっかけとしては津山さんと7月までやっていたトラッドのレコーディングが大きいです。
津山さんのディレクションはしっかりしつつも遊び心に満ちていて快晴の日の登山のように清々しく楽しく、制作に対する考え方もかなり感化されたと思います。
そして日々先人の歌に深く入って酔いしれたりトライ&エラーを繰り返しているうちに自分の中に別人格が降りてきたような感覚がありました。


コンプレックスだった自分の声を好きになれました!と言うよりは、これまでよりちょっと距離を置いた大きな場所からフラットに聴けるようになった感じです。
そんなふうに聴けるようになると、これまで恥ずかしさから気になっていたことが気にならなくなったり、それによってこれまで見えなかった課題や素敵な一面に気付いたり、より楽しめるやわらかなメンタリティに変わってきたように思います。


それでこの感覚を忘れないうちにとYoutubeで音便りシリーズを始めてみました。
一週間で消えるという気軽さあってのことですが。


今日は9/20に公開する2回目の音源をアップロードしました。
便利な機能があって、日付が変わると同時に自動的に公開になります。


それではまた。



●2021/9/9 記【サイトのマイナーチェンジあれこれ】


サイトのページを少し作り変えてみました。
長野友美のオリジナル曲を中心とした活動とは別に、今後トラッドソングを中心とした津山篤さんとのデュオの音源発売やライブも控えているので情報がごちゃつかないようにしようというのと、ほとんど静的なページに関しては一番下のサイトマップからのアクセスにして、動きのあるページをメインに置くことにしました。


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私の1stアルバム、3rdアルバムのCDがオンライン上で常に品切れとなっている件ですが、各ショップに発売元であるミディクリエイティブによる在庫補充がなされていない現状です。ですのでAmazonなどのリンクでのご案内は消しました。1曲ごとのストリーミングでは購入いただけます。
このままCDが絶版になったらごめんなさい。

2ndアルバムCDは西沢和弥さん運営のDancing Pig Labelからの発売でAmazonでも取り扱って下さっており、私の手元にも在庫があります。


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それから些細なことではありますが、Youtubeで新たに「音のおたより」というシリーズを始めました。
MV「舟の旅」を公開して以降たいして更新できていなくて、何かやりたいけれどずっと残るものは気が重いなと思い、1週間で消える簡素な音楽のお便りを更新して行くことにしました。第1回目は試運転で少し長めの9/19(日曜日)まで。以降は毎週月曜更新の予定です。

それに伴ってこれまでこのページに貼っていた動画を『Video』ページへ移動しました。


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以上どうぞよろしくお願いいたします。


●2021/8/27 記【終わったこと、始まること】


津山さんと制作中のトラッド・デュオ・アルバムはマスタリングも済みまして、
音に関することが全て終了しました。


11月の終わりに発売予定。
詳細は近日中に発表しますが、11/21東京、11/22名古屋、11/24京都でレコ発&先行発売ライブを予定しています。
その頃の感染症の状況を見ながらにはなりますがどうぞよろしくお願いします。


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それから先日8/23に長野友美withパイカスの拾得ライブが終了しました。
沖縄からちえみジョーンズをゲストに迎えての開催。
お運び下さった皆さまありがとうございました。


自粛された方、平日の大幅な時間の繰り上げで諦められた方、お勤め終わらずお忙しい中キャンセルのお電話下さった方もまたいつか。
どうかお元気でいてくださいね。


そしてこのように、いらっしゃれる方が限られる厳しい条件の中 営業して下さった拾得に感謝です。


デルタ株の感染力の強さ。
酒類提供無しな上に食事することのハードルが高くなってしまった日々。
それゆえにお店への貢献としては大きな課題が残るんですが、そこは私個人で出来ることを何か考えて行きたいです。


ともあれ現在ライブ情報がしばらくの間白紙となりました。
10月あたりにちょこっと入るかもしれませんが、まだわかりません。
これまで同様、決まっても状況によって変わってしまうことも多いと思いますが、ライブを必要としてくださる方とぽつりぽつり 火を灯して行きたいです。


でもそれは無謀にではなく、しっかりと科学情報に基づいて怖がり気をつけながらですね。


それではまた。



●2021/8/6 記【しばらく日記をさぼっているうちに】


津山篤&長野友美のトラッド・デュオ・アルバム、
5日間にわたるレコーディングが終わり、8月中にあと1回スタジオに入ればミックスダウンも終わりそうです。
CDは今年10月のリリース予定となりました。


コツコツとこまめに書いておけば良かったのに、参加して下さったゲスト・ミュージシャンのエピソードをお一人づつ説明して行くのはもはや不可能です。


完成したアルバムを聴いていただけたら名手たちの素晴らしさは必ず伝わると思うのですが
せめて軽くここにご紹介します。()内は今回の収録楽器。
↓ ↓ ↓ ↓

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◆吉田文夫さん(コンサルティーナ、ボタンアコーディオン)
まだ日本のほとんどの人が所謂ケルトミュージックを知らなかったような時代にイングランドでコンサートやパブ演奏を観てまわり、
その魅力に取り憑かれてアイリッシュバンドSi-Folkを始められた方です。ライブではこの他にギターも弾かれるし、民謡を歌われても素晴らしい。


◆原口トヨアキさん(バグパイプ、ローホイッスル、マンドリン、バンジョー)
Si-Folkのメンバーで日本では初のバグパイプ奏者としてキャリアをスタートされた方です。
本場の民謡界でも複数楽器を操れると粋な感じですが、弦楽器から吹奏楽器までをここまで軽やかに味わい深く奏でられるマルチプレーヤーは実際どれだけおられるのだろう。


◆吉田正幸さん(ピアノ)
元・羅針盤。現在は渚にて などで活動されています。
ピアノが弾けもしないくせにピアノが好きで、それゆえに密かに音にうるさい私なのですが、数年ぶりに心掴まれるような演奏を聴きました。
弾いてくださったのは長篇な割にごくありふれたコード進行の曲(それだけ歌詞が強いため)なのですが、ピアノテイクだけ聴いていても全くダレず、むしろこれだけで気持ちいいくらいセンス良い仕上がりで、びっくりです。


◆タケヤリシュンタくん(アコースティックギター)
日本の若きブルース・コバーンだと勝手に思っています。
久しぶりに共演した時にお互いにマイク・ウォーターソンを愛聴しているのがわかって「それじゃあ」と私が提案したカヴァ曲にすんなり合わせてくれたのも凄いんですが、曲の最後に入る救急車の音までばっちり再現してくれて、本当によく聴き込んでるなーと感心してしまいました。
今回の録音でもそうゆうところが発揮されていて、じっくり曲の流れを読み取った上でドラマチックで瑞々しく華のある演奏をしてくれています。


◆藤原弘明さん(フィドル)
この方のことだけ前の日記で書いているので割愛しますが、Mix作業で改めて聴いてもやっぱりすごいなぁと思いました。
私が足し算をしている時に藤原さんは関数計算してるのかというくらい取り組み方が違うのを感じます。


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さて、デュオのお相手である津山さんはレコーディングを終えるやいなや
山開きの準備のため南アルプス暮らしとなり、ミックスの日にだけ下山するという驚きのスケジュールで動かれています。
長年登山道の整備や山小屋の管理をされていて、現・天皇陛下をガイドされたこともあるらしい。


今年亡くなった祖母に聞かせてあげたら喜びそうな話です。


今年秋にはこのデュオで、Si-Folk吉田文夫さん主催のケルトのコンサート出演や、東京・名古屋ツアー(行ける状態になっているのかはわからないけれど)なども決まってきています。


つい先日、デュオのプロフィール文などを作成するにあたっていつの間にか表記が「長野友美&津山篤」になっていて冷や汗をかき
慎んで「津山篤&長野友美」に変更していただきました。


こうゆう順序はどっちがイニシアチブを取ってて偉いとかどれだけ貢献しているかではなくムードの問題なんですが、
「長野友美」はオリジナル弾き語りで長くやってきた名前で、後にも先にも自分しかいない自由の道でふらふらと風に吹かれて来ましたので
後ろに誰かの名前を連ねるような馬力はこれまでもこれからも無さそうなんです。
とくに今は夏バテ気味ですしね。


でも後ろに風船みたいにくっつくならちょっとは何かを発揮できそうな。
完全に気分の問題で、しようもなくてすみません。



これからジャケット制作とか写真撮影をしていくんですが、津山さんも私も口を揃えて言っているのは
「気の利いた服なんて持ってない」


さてどうなることやら。
それではまた。



●2021/6/11 記【レコーディング三日目、フィドルの録音でした。】

ゲストの1人目、元サバートブレイズ、スラップ・ハッピーハンフリーの藤原弘明さんがフィドルで参加して下さいました。
私は藤原さんみたいにアプローチするフィドルの人を他に知りません。素晴らしかった。
頭の中で予想できるようなオブリガートにはならず、その手前でもっと違う場所へ飛んで何かやってる。
その音の動きの意味が私にはすぐには理解できなくて驚きや不穏の連続だったんですが、録音を聴き返してみると音楽的強度がすごい。
昨夜はクタクタで帰ってきてツイッターで雑感しか書けず眠ってしまったけど、自分に去来した感動はこうゆうことかなと。


プロデューサーの石橋さんが、「元超ハードロックのベーシストですからね」と教えてくださいました。
津山さんからも「彼は元々ブルーグラス畑でバンジョーを弾いていたから」と遍歴を教えていただいてました。
さまざまなジャンルを渡り歩いてこられたこと自体もすごいのですが、
やっぱり型どおりの世界に落ち着いてしまわずに音楽そのものの面白さに向かい続けて来られたからこそのプレイなのではないでしょうか。


これから録音には色んな楽器の名手がゲストで参加して下さいます。
あ〜すごい現場にいるなとだんだん実感して来ましたが、引き続きリラックスして行きたいです。
エンジニアの須田さんはストレスが無い素晴らしいオペをやってくださる。津山さんとの阿吽の呼吸を眺めているのも好きな時間。


それではまた。



●2021/6/5 記【トラッドソングアルバム録音進んでいます。】

先日5/29(土)は現在レコーディング中であるトラッドソング・アルバムを作るきっかけとなった音凪食堂さんの10周年記念ライブでした。
この日はもちろんその流れで、津山篤さんとデュオ出演。
そして久しぶりに再会したタケヤリシュンタ君がゲストと称して彼のソロコーナーの後トラッドコーナーにも素晴らしいギターで参加してくれました。


彼は津山さんと絡むことが多いようで、師弟関係のような、歳の離れすぎた友人のような 何だか面白い雰囲気。
例えるなら映画『スティング』のジョニー&ゴンドーフのような。

たぶんその真ん中くらいの年齢の私。
ギターの達人二人に演奏はほとんどお任せして歌だけ歌っていました。


ん? もしかしたらこんなふうにボーカリストとしてライブをやるのは初めてです。
音楽を始めたての頃からずっとソロでもバンドでも私はギターを弾きながら歌ってきましたので、あらびっくり。


しかし歌だけに専念できるのは結構面白いことかもしれません。有難い機会です。
特に今回のライブを経て 自分のオリジナルソングを弾き語るのと同じくらいトラッドソングにも魅力を感じているので先が楽しみです。


録音のほうは5月中に2回スタジオに入り、歌の7割方録り終えました。
これから残りの3割を録るのと同時進行で色んな楽器によって曲に肉付けがされて行く予定です。
とても早い進行だとのことで、ようやく気持ちに少し余裕が出てきています。
タケヤリ君もレコーディングに参加してくれることになりました。
楽しみな流れです。


引き続き伸び伸びとしたいい集中ができるように整えたいと思います。
なんだか柄にもなくアスリートみたいなこと言っている。


今回ますます乱文となりましたが、それではまた。



●2021/4/28 記【トラッドソングのCDを制作中です。】

現在、西欧に残る民謡のアルバムを津山篤さんと共にレコーディングしています。
多くの方に伝わる言い方があるとすれば「ケルトミュージック」というジャンルの歌です。


ケルトミュージック。
それはブリテン諸島をルーツとした民族音楽を指す言葉ですが、
実際にはケルト人が闊歩していた時代(青銅器時代~鉄器時代初期)から受け継がれている音楽というわけではなく、
中世あたりから島々に残る民謡が1970〜80年代のフォークリバイバルによって掘り起こされた際に古代ロマンを掻き立ててる響きが好まれたのか、
なんしかムーヴメントを盛り上げるために使い始められたキャッチフレーズなんだろうと思っています。


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余談でさらにお話すると、ブリテン諸島には確かにケルト文化の痕跡がありますが、
遺伝子研究の進んだ今ではこれらの島々にケルト人は暮らしていなかったことがわかっていて
大陸との貿易を通じてケルト文化を取り入れた人々が暮らしていたようです。
やがて大陸のケルト人は他民族の支配下に入り、ゲルマン人の圧迫によって西のフランスやスペインへと流れ
ローマ文化に浸潤されたのち中世にはゲルマン系のフランク人へと変質して行きます。
そんな中でも海を隔てた島のケルト文化は保存され、比較的新しい時代まで続いたということのようです。

出典:Wikipedia English版

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それらを踏まえると「ケルトミュージック」と言うのがなんだかモヤモヤしてしまう気がしますが、
それでもこの民謡の数々が現代に生き残って遠い日本に住む私の耳にも届いたのはキャッチフレーズやファッションや新しいアレンジなどあの手この手でリフレッシュさせ流行らせてくれた人々のお陰なのでおおらかに使って行きますよ。


私は音楽を始めて間もない頃、故郷長崎で友人たちに誘われるがままケルトミュージックのバンドメンバーとなり、
アイルランド、スコットランドのポルカやジグにギターで合わせていました。
(ろくに聴いたこともない音楽の、しかもメロディラインだけの譜面を渡されて弾いていたのですから知らぬが仏と言うか。 しかし初心者なんて誰でもそんなものでしょう。)
ある日「歌ものも入れたいから友美さん歌って」とトラッドバンドのCDと歌詞のコピーを渡されました。
初めてカヴァーした歌はアイルランド・ゲール語で読んでもちんぷんかんぷんでしたので、地道に耳で取ってレパートリーを増やして行きました。
それが私のトラッドソング好きのスタートです。


京都に移り住んでからは、こちらのほうがアイリッシュパブやカフェでの演奏が盛んで恵まれた環境だったのですが、入っては行きませんでした。
楽器をやる人はいても自分のように民謡を歌う人を見たことがなかったのと
ちょうどその頃はもっと新しい時代のシンガーソングライター系や南米音楽などを聴いていたせいもあるんですが、
バンドというものは縁と相性なんでしょう。私は他の音楽に比べてケルトミュージックが特別好きだった訳ではなく、 単に長崎の友人たちのことが好きだからやっていたんだなと思います。


しかしひょんなきっかけで歌い始めたゲール語の古謡が私は大好きでしした。
バンドがいなくても一人でできる気軽さもあって、私の普段のライブで少しだけ披露するのをお聴きになった方もいらっしゃると思います。
歌っていて楽しいし、どんなことを歌っているのか辞書を引いて少しずつ紐といていくのも楽しく、
遠い島国でどんなことが歌い継がれて来たのかを知ると共感したり不思議に思ったり。
気がつけばそんな感じで個人的な趣味として特に誰と共有するわけでもなく長年楽しんできました。


2019年、大阪市の音凪食堂さんで「トラッドソングをメインにライブしませんか」とお誘いをいただきました。
その時の共演が吉田文夫さんと原口トヨアキさん、そして津山篤さんのトラッドバンドSi-Fork。(今はこの名義では活動されていないのですがこの日は特別にとのことでした。)

私はその日初めてゲール語の歌(それも結構マニアックな!)を合唱してくれる方たちと出会いました。
事前の打ち合わせもしておらずライブの中で突然 吉田さんたちがいっせいに合唱して下さった時には本当にびっくりしたし感動しました。
日本人でこの歌を深く愛し歌っているのはもしかしたら自分だけなのかもしれないとずっと思っていたので、
それは今思い出してもほろっと来てしまうくらい夢のような喜びの時間だったのです。


ご来場の方の中にもケルト民謡を歌われる方がいらして、
気がつけば私の何倍、何十倍もケルトミュージックを愛してきた大先輩方と一気に出会うことができました。
「井の中の蛙大海を知らず(知る)」とはこの事ですよ。


このライブを組んで下さった音凪食堂の店主古市さんに
どうしたらこの喜びや感謝の気持ちをお返しできるのか、お返ししたい。とずっと思っていました。
この度津山さんのお誘いでレコーディングをする運びとなり
作品でお返しすることができるよう 今、奮闘の毎日です。


今回レコーディング予定の民謡はブリテン諸島にとどまらず、北欧、フランス、イタリアなどに残っているケルト民謡も収録します。
津山篤さんが集められた各国の民謡のLPが素晴らしく刺激的で、新しい歌を覚えるのが楽しい。(古謡なのに新しいという不思議)
年内には完成させる予定で進んでいますのでどうぞお楽しみに、よろしくお願いします。


時々脱線するかもしれませんが、しばらくはこのアルバムの制作状況や民謡についてのお話をここに書いて行こうと思います。



【弥生の二頁、9回目の春でした。】

ご来場ありがとうございました。


『弥生のニ頁』、二頁は「2ページ」と読みます。
昔、フジコさんとの二人ライブをする際に私が何となく付けたタイトルなのですが、
そこからさらに何となく「また来年もやろうか〜」ということになって気が付けばフワフワと9年目を迎えました。


二人とも絵を描いたり物作りが好きなもので、演奏に加えてご来場の皆さんに毎年色んなおみやげを作ったり、
ある年には交互にライブペインティングをやってみたり、近年は1週間ほど作品展示もさせて頂くようになったり、
気がつけば小さな喫茶店を舞台に奇妙な心血を注ぐイベントに育っていました。


民族音楽好きで生き物好きで古墳好きで地理が好きなCafe Wood Noteの店主に私は年々触発されて
自分の好きだったものを改めて真っすぐ見つめ直し、掘り下げるようになりました。
昆虫や鳥の写真展示をさせて頂いているのも間違いなくその影響と言えるでしょう。


私よりうんと若い弥生の相棒フジコさんは、音楽もデザインも私にはまずできないタイプのものを作り出す人でいつもハッとさせられます。
彼女に刺激を受けて、慣れないことを悪あがきして、そこからひょこっと生まれてくるものがあったりします。
「歌」にとってとても大事で、だけど失われやすい素直な陶酔をちゃんと持ち続けている大好きな歌い手さん。


そして毎年ふわり舞い降りて縁の下の力持ちとなってくださる弥生の守護神マーラさん。 ウッドノートの自然栽培&ネルドリップ珈琲によく合う滋味ケーキを焼いている人でもあります。


フジコさんの惑星の歌から連想するのですが
宇宙探査機が惑星の重力に導かれて方向を変え加速する「スイング・バイ」のように
私の人生に作用し、新しくて楽しい方向への推進力をくれる人たち。
出会ってすぐには考えもしなかったけれど、付かず離れずゆっくり時を共にするうちに自分にとって特別な人だったことに気がついてゆきます。
振り返れば培ったものが大切に思えてきて、長く続けて良かった。


来年は10周年なのですが、毎年ささやかながら特別なお祭りみたいな気持ちでやって来ましたのでアップグレードは考えず
これまで通りフワフワと思いつくまま楽しみながら企画したいと思います。


2021/3/22(月)記


【祖母に捧ぐ歌】

2月27日の土曜日、チョイスちゃん(西沢和弥さんと黒田かなでちゃんのユニット)のYoutubeチャンネル「チョイスちゃんねる」に出演させて頂きました。
よく晴れたので打ち合わせの始まる夕方から出かけるのは勿体なく思い、午後の3時くらいから長岡天満宮をぶらぶら。
ギターと荷物を背負って重かったですけど3時間ほど天神さんの八条ケ池の周りや社殿あたりを散策していました。
梅はもう開ききって、キリシマツツジはさすがにまだ全くでしたが柳の新芽がさらさらと心地よさそうに春風になびいていました。
それからもうぼちぼち見納めだろうと思っていたジョウビタキのカップルにも会えました。


前日の夕方、佐世保の祖母の容体が悪くなったと連絡がありました。
新型コロナの院内感染を防ぐため面会禁止中ではあるけども特別に父だけに面会を許可してくださるとの事で、
これはもう間も無くお別れになるんだなと覚悟をしました。それはお葬式にも行けないことも含めて。


どんなふうに過ごしていてもその時はやって来るわけで、チョイスちゃんねるは予定通り出演させていただくことにしました。
日が暮れて迎えに来てくれた西沢さんのワーゲンバスにかなでちゃんと三人で乗っている時に東の空に見事な満月が登って来るのが見えました。
今までしてた話題が途切れ、すごい月だねえと三人で見入っていました。


思えばあれは祖母を迎えに来た月だったのでしょう。
西沢さんの家に着き、「これからしばらく連絡が取れなくなります」と実家の人々にメッセージを送り携帯端末はフライトモードにして配信に入りました。
そして本編が終了してフライトモードを解除した時に祖母が亡くなったことを知りました。
「今亡くなりました」のメッセージは配信が始まる直前の時間。病院の方々の手配のお陰あって父はそばで看取ることができたようです。


西沢さんたちは「こんなことしてて友美ちゃんは良かったんやろか」と尋ねてくれたけど、私は音楽でずっとお世話になってきた上、配信タイトルに「盟友」とまで書いてくれる大好きな二人に囲まれてお喋りしたり演奏したり、配信を見てくださっている方々と楽しい時間が過ごせて本当に感謝しています。


私はまさにこんな時間を過ごすために育ての親であり精神的に固く結びついていた祖母から離れ、佐世保を離れて京都にやって来たんだと思います。
話せば複雑ですが、私は16年前、家族との強い依存関係の中でどんどん歪んで駄目になっていく自分を救うため「音楽」という名の最終便に乗ることにしました。
そう決めた時、祖母はとても寂しそうでしたが、それでも心から応援してくれ見送ってくれ、ずっと助けてもくれました。
ですから今この時に私が自分らしい時間を過ごせていなければ、きっとお互いに離れた甲斐がなく虚しいことでしょう。
もしかしたらあの配信の時間はずっと応援してくれていた祖母からの贈り物だったのかもしれないとさえ思っています。


私の祖母への想いは1stアルバムに収録の「何もない日々」でその全てを描ききっているように感じています。
私が生まれた頃にはすでにこの世の人ではなく会ったこともない祖父の性格を借りていますが、あれは私からの祖母へ向けたラブソングです。
祖母は「まるでその目で見てきたごたる、爺ちゃんそのもの」と何度も何度も繰り返し聴いてくれました。


あまり歌の背景を語らない方がいいよ(ひとつのストーリーに矮小化するとつまらないから)という話もありますが、今日は祖母のために書いておきたいと思いました。本人には生きているうちにはついに種明かししそびれましたから。
今日はお葬式から火葬場で焼かれるまでの時間、京都の自宅からずっと祖母に向けて演奏していました。
火葬場の向こうにある共同墓地には祖母が長年大切にお参りしてきた祖父のお墓。そしてその向こうに広がる九十九島の海は春の陽気にキラキラと輝いていたはずです。


2021/3/1(月)記




【長野友美 拾得ソロ・ワンマンライブにご来場ありがとうございました。】

時短営業により開演時間が17:30と大幅繰上げになり、正直これはもう誰もお越しになれないのではと思っていましたが、思いもかけず多くのお運び御礼申し上げます。
遠方からの方やお仕事を早退されるなど時間を作って来てくださった方もいらっしゃって、もう何と表せばいいのか、有難い気持ちと共に大変な励みになりました。


拾得店主テリーさんは現在ご病気の療養中で、今回は初めて二代目ひろうみさんに事務連絡から音響オペレーションまでお世話になりましたが、ひろうみさんの作られる音も拾得らしい飾らない心地よさがありしっくりと演奏することができました。
しばらく出演という形では遠ざかっていましたが昔も今も変わらぬ私の愛する場所です。


思えば京都へ来て最初に出演したライブハウスが拾得でした。
そのご縁はあまり穏やかではない、ほぼトラブルと言って良いことがきっかけでしたが、いつか笑い話として聞いていただくこともあるかも知れません。


それはさておき、私の初めての拾得ライブは薄花葉っぱとの共演でした(今はcoloid、かりきりん、ザッハトルテなど個々に活動しておられます)。初っ端から素晴らしい方達と出会わせていただいた有難い思い出。
それなのに当時私はコミュニケーションが異常に怖くて億劫で、入り時間を聞けておらず「このくらいの時間に行けばきっと大丈夫だろう」と適当に行く時間を決め、初日だというのに大遅刻してテリーさんに怒られました。
有難い思い出とダメダメな思い出のセットです。


昔のことを語り出すと実にたくさんのトホホも発掘されるので早々とこの辺で埋め戻しますが、
恥ずかしながらこんな調子で、29歳で京都に暮らし始め、度々ツアーライブに出かけたりするようになってからやっとこさできるようになったこと、身に付けたことが多いです。
それだけ多くの人にカチカチでアベコベの病んだ心をほぐしていただき、暖かい目で育てていただいたということですね。


相変わらずライブの本数は減らしていましてしばらくはこの状態が続くと思うのですが、これを機にまた本年中にでも拾得でライブが出来たらいいなと思ったりしています。 2021.1/30記


【本年もどうぞよろしくお願いいたします。】

緊急事態宣言を受けて飲食店は20時までの時短営業となるため1/29に予定している拾得ワンマンライブの時間帯も変更して開催することになりました。来場予定してくださってたのに開演に間に合わずお越しになれない方、本当に申し訳ありません。

私のちかごろはと言いますと、佐世保への帰省をしなかったせいで時間ができまして、去年の暮れからお正月もずっと引きこもって作曲していました。

そうして出来たのは、歌詞の一節に納得が行かなくて長年お蔵入りしていた曲に「これだ」という言葉がはまって完成したものがひとつ。
そして新曲がひとつ。ワンマンライブに間に合わせられそうで喜んでいます。

作詞作曲ってあらかじめ意図した通りにはならない、自分の体験の中の何がいつはまるかわからないパズルをやっている感じです。
ブライアン・イーノ氏みたいに年間600曲も作れないとしても、今年はパズルのピースをあーだこーだとはめ込んでみる実験を可能な限り増やして行きたいです。
「これは駄作かなと思っても、一度作り始めた曲は最後まで完成させてみること」これは金森幸介さんの言葉です。
昔、絵を描いたり立体作品を作ったりしていた時も、尊敬している人からのアドバイスはやっぱり「数をこなす」でした。
自分の中から生まれ得る歌に多く出会い、それを皆様に何かしらの方法で聴いていただける一年にしたいです。

2021.1.8(金)記


【2020年のライブが全て終了しました。】

ライブは仲が良いミュージシャンだから一緒にやりましょう、というものではなくて、
あくまで誰(お客さま)に何を見てもらいたいのかという企画者のビジョンから出発するものなのだ。


いつからか心の片隅にそんなビジネスライク(笑)な信条を持って演奏をしてきた私ですが、コロナ禍の今年はその信条とは真逆に地元関西の大好きなミュージシャンたちとぎゅっと関わりご一緒した一年になりました。


これは人によって感染症対策や考えにばらつきがある中、考え方がある程度似ていて真面目に意見を言い合える気心知れた人々とライブを作ることで少しでも不確定(不安)要素を減らしたいと思った結果なのですが、
単純に仲の良い人と寄り集まる楽しさによって少々堅苦しかった私の気持ちもどこか和らいだ気がしています。


思えばこれまで私はコミュニティ化してしまう音楽の場にかなりの苦手意識がありました。
馴れ合いになって身内で閉じて行くような音楽活動はしたくないし、そうゆう場に寄り付きたくないという慎重な気持ち。


Watch out, the world's behind you
There's around you
who will call It's nothing all

”気をつけろ、君の背後にある世界に.
君を取り囲み いろんな奴がしきりに君に呼びかけてくる.
なんでもないことで."


有名なレナード・コーエン「Sunday Morning」の歌詞、こんな訳でいいのかわからないけれど、
人と関わる時に私が「気をつけて」きたのはまさにこれで。


自分は音楽がしたいのに寂しさや退屈や不安を埋める相手として求められてしまうようなコミュニティーは辛くて、 それを避けるあまりに、私はいつの間にか全方位に対して閉じてしまってたみたいです。


だけど今年の特殊な状況下で関われたミュージシャンたちはそんな私のちっぽけな懸念を飛び越えて、 他人とガッツリ仲良くしながらも音楽がちゃんと心の中心にある根っからのミュージシャンだったのでした。
(それどころか音楽の筋肉もりもりでちょっと頑張ったところでは追いつけないような人たち。)
大事にしてる部分がちゃんとあり独立が守られていればふんわりとコミュニティ化することは全く悪いことではないのだ。


今更ながらそれに気づき、全くお恥ずかしいったらありゃしないという気持ち半分、
こんな人たちと出会えていた私は本当にラッキーだな、という気持ち半分で、
これからはたくましい周囲のミュージシャンたちを見倣って、不安にキョロキョロすることなく目いっぱい仲良くやりつつ自分の音楽に専念しようと思ったのでした。


年の瀬にこんな情けない日記になり後で消したくなりそうですけど、鬼にも笑われていると思いますけれど、
来年の豊富はそんなところです。


長文乱文お読みいただいて最後になりましたが、今年ライブでお会いできた皆様、ありがとうございました。
ツアーができずお会いできなかった皆様も、気にかけてくださりありがとうございました。
お互いに穏やかな良い年を迎えることができますよう願いながら今年最後の日記とさせていただきます。


2020/12/15記


【イラストのお仕事のこと】

当サイトにもひっそりと『デザイン集』というページを設けているのですが、
実はひっそりとデザイン・イラストレーションのお仕事をしています。
それも今年は大事を取ってお休みさせていただこうと思っていたところ、夏頃に京都のバンドCHAINSからイラスト仕事のご相談をいただきました。

平時よりデザインに比べてイラストのお仕事はさらに少なく、多くは自分のライブチラシのために描くくらいでしたが
今年の感染症拡大によりバンドメンバーが集まっての撮影が困難だと言うことで
新譜のジャケットを今回は写真ではなく絵にしてみたいとのお話。
(こういう思いもよらない効果のことを何と言いましたっけ。)

こんな形で絵というものが見直されるのは面白いですし、何より私が敬愛して止まぬバンドからのご依頼とあらばお断りする理由もなく、はたして私の力量でどこまでご要望に沿えるのか?という不安はひとまず横に置いて二つ返事でお請けしたのでした。

アルバムタイトル「Can't Quit You」からも想像される通り、 2018年に天に召されたブルース・シンガー・ギタリスト オーティス・ラッシュへ捧げた曲が収録された3曲入りデジタルEP。
CHAINSとお話し合いを重ねて仕上がった絵はその主旨をかなりストレートに表したものになりました。

2020年12/29に京都拾得でそのレコ発ワンマンライブを開催され、同日に主要配信サイトからもリリースされます。
私の音楽のお話ではありませんが、私のイラストレーションやこの作品にご興味持たれた方はぜひCHAINSウェブサイトをご覧ください。

サイトの一番上にある記事の「続きをみる」を押すとジャケットのフルバージョンが見れます。

(2020.11/26記)



【楽しい場のにおい】

たくさんのミュージシャンとたくさんの音楽ファンから愛されてきた京都Live & Salon夜想がビルの老朽化という理由で今月一杯で幕を閉じます。
それはここにしか生まれ得なかったゆるやかで濃い繋がり、夜想の音楽愛と寛容さ、優しさをかすがいに生じた面白いコミュニティの消失・終焉なのだと感じます。

11/1は私の最後の出演の日でした。とても寂しくて、だけどやっぱり楽しくて、そんな二つの感情のあわいを漕いで行くような何とも言えない特別な時間。囲んでくれた方々、ありがとうございました。

今日は雨天。寒いのと低気圧の気怠さのせいで柑橘に心惹かれ、勿体ないオバケが大事に取っておいた「小青柑」という雲南のお茶を出して飲みました。カボス程度の小さな柑橘の中身をくり抜いて中に良質のプーアールを詰めて熟成させた取っておきです。鼻腔を抜ける香りに加え部屋がプーアールと限りなくほのかな柑橘の香りで満たされ幸せな気持ち。

生物の多くは感覚器の中でも嗅覚で感じた「におい」の記憶が一番長く残るらしい。
だから私はできるだけ良いにおいに触れていたいなと思います。

しかしながらライブハウスの少しすえたようなわい雑なにおいは過去に体験した音楽の楽しさや緊張やワクワクを呼び起こします。

楽しい場のにおい。
夜想もそんなにおいだった。

お花のような良いにおいばかりが良い思い出を想起させるとは限らないところが生きていることの複雑さですね。
これからも自分自身をそんなにおいの場に導いていきたい。

アコースティックギターを背負って行けばどんな場所でも演奏できる身軽さゆえに長らく地元関西ではカフェ・居酒屋・バーで企画させていただいて演奏してきましたが、ここへ来てライブハウスでの演奏が増えました。
今年はツアーに出なかったのと自主企画ライブを自粛したことで準備に忙殺されずお受けしやすくなったことが理由です。
このご時世に音楽ありきの場所がこれ以上消えて欲しくないという思いも確かにありますが、無名ミュージシャンに出来ることなんてほとんどなくて歯がみの日々。

兎にも角にもこんな放蕩娘にお声がけくださったライブハウスに感謝しつつどの日も大切に作ってゆきたいです。
そう、どの日も楽しいにおいとなりますように。

(2020.11/2記)



【久しぶりの京都ライブでした】

2月に病気してのちだいぶ元気になってまいりましたが、長らく京都でライブしていなかったせいか心配してくださってた方がちらほら。故郷の友人らからも思いもかけず応援のメッセージをもらったりして「ありがとう」の気持ちで心がポカポカしたまま演奏して来たのでした。

左京区の居酒屋まほろば、という愛しい場所での演奏会。店主和田さん、企画して下さったKさん、共演のりんどうさん、集まって下さった皆さま、和やかな会を本当にありがとうございました。

ライブが減ってから私は自宅に籠りひたすら自分のためだけに歌うという音楽生活になっています。
じゃあライブでは皆様のために歌っているのかと言うとそんな壮大なこともなく、やっぱり自分が「しっくり来る」と感じるところを目指して演奏している(のを見ていただいている)に過ぎないのですけれど。
だけど傍で聴いてくれている人がいる自分の歌と、ひとりきりで歌う歌はたぶんまるきり別物のようです。
私に取ってライブとは、聴き手の皆さんと共有する空気によって生まれる未知なる自分の歌に出会いに行くことかもしれないと思うくらいに。
科学の世界で言う「観察者効果」ではないですけれど、ライブではお互いにほんのりと、誰か一人でも欠けていると変わってしまうような不思議を体験していることは確かです。

ややこしくなってきたところで話を戻しますと、自宅に籠り自分の楽しみのためだけに歌う時間が増えてから、これまでどんな風にライブに臨んできたのかを今半分忘れかけていたりします。
そもそもノウハウみたいなものがあったのかもよくわかりませんが。
「ライブのやり方忘れちゃった」と先日のまほろばで笑いの種にこぼしたら、「忘れましょう、どんどん忘れましょう」と肯定してくれた方がありました。
そうです、この日にも未知なる歌に私はちゃんと出会うことができました。きっとこれまでに構築し身に付けた方法を私がどんなに忘れても、ライブの不思議は変わらないのだろう。
身軽になって無心に没頭ししばらくこのまま風まかせに進んでみよう。と、呑気な心境の秋です。

(2020.10/7記)



【血脈を通わせる】

 演奏スケジュールがほとんど全て飛んで音楽活動の主たるものが「制作」に変わり、これまで人任せだった分野(録音やMix)にまで手を出してみるとこれが結構楽しくて。
楽しいという気持ちの尊さを年々かみしめている私としては、これまでどうしてやってみようとならなかったのかと悔しいくらいです。

基本的に自信のない人間で、経験豊富な人から「君には向いてないよ」「それを1から始めるより餅屋は餅屋でプロに任せるのが近道だよ」なんてことを言われるとおそろしいほど素直に真に受けて諦めてしまうのです。
もちろんそれがお仕事である場合は予算も締め切りもあるし関わってくれる人のスケジュールもあるから、上の言葉はその点で正しいし、違う感性を持つ人が関わることで混ざり合い生まれくる面白いものを私はたくさん知ってもいます。
問題なのはお仕事上のアドバイスに過ぎないものを自分の人生にまで適用してしまう私のおそるべき芯のなさ、自信のなさなのです。

こらこら私よ、人生を合理性で切り詰めて一体どうする!

無意識の自分に盛大につっこみを入れる。
そしてこれまで自分にはできないと信じ込み打ち捨てた領域に血脈を通わせて栄養を送る。
そしたら「ああ私はこんなことが好きで夢中になれるんだ」という新しい発見がある。
誰かと比較したら相変わらず不器用で役立たずなんだとしても、これまでおたまじゃくしみたいだった体に手足が生えて可動域が広がっていくのは面白いし、これまでやって来たことと誰かにやってもらっていたことの相関関係が見えて世界が広がっていく感じがします。

近ごろ日々そんな調子です。おおむね楽しくしていますが昼夜超逆転生活が戻らないのだけ困っています。
これから少しだけライブの予定が増えて来そうなのでライブの方も心新たにがんばりたいなぁと思います。
(2020.9.17 記)


【8月に続き10月に雲州堂で演奏させていただく運びとなりました。】

「大好きな雲州堂でまた演奏したい」と先日ここに綴ったばかりでしたのでとても喜んでいます。
ミュージシャンには様々な活動形態がありますのでこれは私個人の状況下での考えではありますが、感染症がこの冬この先どうゆう拡がりを見せるのか未知な現在、科学的な根拠に基づいて対策をして下さっている身近なお店と共に気をつけながら細々と、でもしっかりと演奏活動を続けていく方針です。
会場を絞って頻度を落としての活動になりますがどうぞよろしくお願いいたします。

なんだか面白味のない日記でごめんなさい。次回はもっと日常的なお話でも書こうと思います。
(2020.9/9記)


【8月のライブが終わり、次のミュージックビデオ製作に入ります。】

大阪市北浜の運河が南に流れる古い木造蔵のイベントスペース雲州堂。
大好きなこのお店で再び演奏できたのは大好きなユニット「冬支度」のお二人が誘って下さったおかげでした。

冬支度、大好きなのになんで好きなのかを説明するのが難しい一筋縄ではないタイプです。
安田冬支度さんが歌とギターで紡ぐ音楽はフォーキーで素朴でイナタい印象なのだけど、実はとても洒落ていたりする。そこに斎藤さんのボーカル・フルート・アコーディオンが入ることで洒落たところが活きて花が開くようにポップスに変わる。
まずどの曲も音楽の懐が深くアレンジが素敵。だから今回みたいにSENちゃんのドラムが入ったりして色んな膨らみ方があるし、良いサポート陣に囲まれて愛されている。

「冬支度って大阪っぽくないですね」とよく言われるそうなんですが、大阪的かどうかはさておき私は冬支度の背景に都市のにおいを感じていたりします。
文化の成熟した大きな都市のにおい。気配。
歌詞には都会的な風景描写は全くないしむしろ素朴な風景が多く描かれているにも関わらずです。

大阪の街はあべこべで、ピカピカの阿倍野ハルカスが天に届けとそびえ立っているかと思えばすぐ南の松虫駅(阪堺電軌上町線)あたりは別世界をコラージュしたかと思うくらいに旧く低い長閑な下町の風景だったり。
もしかしたら冬支度はそんな都市のあべこべを一度素直に飲みこんで発酵醸造させ、親しみやすさ人間くささやドキリとするようなリアリティを絶妙なところで抽出した「洗練された素朴な音楽」なんじゃないんだろうか。
そしてお二人が長い年月熱心に足を運び吸収して来られたたくさんの生の音楽体験こそが海辺や野っ原で楽器の練習しているだけでは決して追いつくことのできない不思議な洗練の秘密かもしれないと睨んでいます。
「芸術を磨くのは美しい自然の風景などではない。芸術は芸術によってのみ磨かれる。」(byルノワール・たぶん)

さて私の音楽活動ですが、これから新たなミュージックビデオの製作に入ります。
直接お会いする機会が減ったぶんもこうした作品を増やしていきたいと思います。

ライブは京都・大阪あたりで年内には再開したいです。
SNS等でもお知らせして行きますが、時々当サイトにもご訪問いただければ幸いです。

2020.9/4 記



【7月のライブが終わり初のミュージックビデオをYoutubeに公開しました。】
7月のたった一度のライブが終了しました。音凪食堂さんの周年シリーズに出演できてとても嬉しかったです。
初めましての西村哲也さんとのジョイントは言葉で書き表せないくらい素晴らしい体験となりました。これを仕掛けて下さった音凪店主の手のひらの上で私はコロコロ転がされていますね。(もちろん私から転がされに行っています。)
これを機に西村さんとまた何かできたら、、、。私は語りすぎると止まってしまう不言実行タイプですのでその先の具体的なことは心の中で膨らませたいと思います。

さて、6月中には公開しますなんて言っておきながら遅れに遅れていたMVがやっと完成しました。
曲のMixも動画編集も何もかもが初めてで拙いところはありますが、初めての機材との格闘はなかなか楽しくて、これからもまた何か作ってみたいという意欲が湧いています。

この一曲を製作するのに故郷の友人たちや夫にたくさんサポートしてもらいました。
Youtubeの説明欄にも書いていますがここでも紹介させてください。

--Special Thanks(順不同、敬称略)---

Djembe(アフリカの太鼓)/Haruna(佐世保市)
Djembeの録音/ユウヤ(佐世保市)
海の動画撮影/山口恵(平戸市)
宅録エンジニア&Bass/栗本英明


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製作裏話になってしまいますが、梅雨の季節に輝く海の動画が欲しいという難題に加え、佐世保は豪雨災害が心配な時期でもありました。そんな中動いてくれた佐世保平戸チームに大きな愛と感謝を捧げたいです。

2020.7/21記


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